開発ストーリー
「ありがとう」を伝える、
最期の贈り物。
天国のお母さんへ、
この補聴器を。
私の母は、高度の難聴でした。
にぎやかな食卓、テレビの笑い声、そして、私たちの「お母さん」と呼びかける声。補聴器は、そんな日常の温かい音を母の耳に届けてくれる、まさに「宝物」でした。最期の瞬間まで、母は補聴器のおかげで私たちと心を通わせることができたのです。
しかし、別れの日は突然やってきます。
お葬式の日、母への感謝を込めて、いつも使っていた補聴器をそっと棺に入れようとした私を、葬儀社の担当者が止めました。
「申し訳ありません。機械類は、火葬の際に燃やすことができないのです…」
その言葉は、私の胸に深く突き刺さりました。生前、あれほどまでに母の支えになってくれた補聴器を、最期の旅立ちに持たせてあげられない。このやるせない思いは、きっと私だけではないはずだ。
「同じ悲しみを、誰にも味わってほしくない。」
その一心で、燃やすことができる補聴器、「副葬品としての補聴器」の開発を決意しました。
単なる木工品ではありません。そこには、故人への深い愛情と敬意が込められています。